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2014年欧州ツアー(#5):世界中の富裕層が顧客のメゾンエオブジェだが、肥大化で統一感を喪失か?
 メゾンエオブジェに来るといつも感じることがある。この展示会は、生活雑貨から家具、キッチン用品、オモチャまで、広い意味でのライフスタイル商品を揃えたデザインEXPOである。顧客の裾野が広い展示会ではあるが、収益源は金持ち層である。それも世界中の富裕層がターゲットになる。
 その一方で、数が多いのは一般顧客である。来場者は5日間(1月24日〜28日)で9万人弱。年二回のデザイン展示会では、けた違いの金が動いているはずだ。展示会のコンセプト企画は、フランス人の独壇場だ。長く続いた貴族社会の遺産と実利を求めるブランドビシネス帝国のバックアップで成り立っている。
 経済が好調なときと不調なときとで、ブースの活気はややちがっているが、展示されているブースに配置された大型の家具やタぺストリーや、ばかでかい壺を買うのは、世界中の富裕層だ。あるいは、その意をうけたデザイナーや建築家、造園業者たちである。

 今年春のテーマは、どこか別の場所、ELSEWHERE。このキーワードは、自然界の別の場所、つまりリラックスできる海や森を示唆している。だから、会場ブースは、ターコイズブルーやライトグリーンで商品が覆われている。黒と白とグレーが基調のデザインが主流だった時代は終わったようだ。景気回復が反映している?

 展示会のテーマはあるとはいっても、一時はなんとなくフランス人らしい理屈だけのように見えたものだ。しかし、始まりから20年近くを経ると、テーマが展示ブースにきちんと反映されているようにも見える。フランス人は心底アナーキーな国民なくせに、あんがい真面目にブースの組み立てに取り組んでいるらしい。

 今年からゾーニングに変化があった(と思う)。商品的には、わたしたちが関係する花き類(花器)やインテリア小物、ガーデン用品が、ゾーン6と5ABに分散していた。ゾーン4は家具などのファーニシング中心で、ライフスタイルブランドで埋められている。
 だが、そこにも花関係のアイテムが侵食してきている。というか、会場レイアウトが分類的に分かりにくくなっている。この点は、わたしは深刻な問題だと感じている。理屈は後で述べる。

 理由は3つだと推察できる。

 ひとつめは、メゾンの規模が大きくなりすぎたことだ。生活雑貨関係の出展者が増えているが、これらはゾーニング上は、どこに入れられてもおかしくはない。だが、任意で分散されてしまうと、全体としては分類の明確さが失われる。

 ふたつめは、それと関連して小規模な出展者が増えていることだ。細分化は悪いことではないが、あまり細かいレイアウトは、専門的にすぎてビジネスのマッチング効率が悪くなる。大きなブランド(たとえば、花器メーカーのセレックスなど)も、サブブランドを立ち上げている。大きなブランドだけに、異なる分野の商品を同じエリアに押し込むと、その場所がなんの分野なのかがわからなくなる。具体的には、セレックスがテーブルウエアというサブブランドを立ち上げている。としたら、ゾーン6と5のちがいが微妙になる。この会社のドメインはどこだ?となりかねない。呼び込む客も違うかも。

 同じ例は、ヴェルサーチやフェンディなどでも起こっている。会場レイアウトをブランドを軸にすると、エリアの分類が意味をなさなくなるのだ。ライフスタイルブランドが反乱している。

 三番目は、ブランドのコラボレーションが増えていることだ。これも、食のブランド(テーブルウエア)と住居インテリア(キャンドルやフレグランス)のブランドが提携すると、結局はライフスタイルの提案になる。結果として、どのエリアにも、ライフスタイルのスポットばかりが分散配置されることになる。

 結局は、レイアウトの配置、編集を変えないと、もはや収拾がつかなくなる。この問題は、結構深刻なのではないのか?

 ちなみに、日本からの出展者でわたしが前を通りかかったのは、内野タオル(日本橋、菅家さんからの資料)、貝印刃物(岐阜県)、輪島塗(石川県)、桜樺細工(秋田)、カリモク(家具、愛知県)など。数は増えても減ってもいないみたいだ。あまり目立たない。
| Kosuke Ogawa | 07:30 | - | - | pookmark |

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