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元旦、恒例の佐野厄除け大師へお参りに: 御祈願ビジネスにもイノベーションを!
 元旦は、いつも佐野厄除け大師へお参りに行く。一昨年は、お参りが終わったところで、義父がお餅をのどに詰まらせて、墨東病院に救急車で運ばれた。東北自動車道を走りながら、あの日のことを思い出していた。

 毎年の儀式である。元旦の朝8時すぎ、佐野インターを降りて、いつもの駐車場でおじさんに600円を支払う。厄除け大師の境内に入って、申し込み用紙に6人分の住所を記入する。
 そして、凍える寒さの中を、30分ほど長い列に並ぶ。ほどなくして、並びの順番が来て、準備されたビニール袋に靴を入れる。お堂に上がって祈祷をしてもらい、いただいたお札を護摩の火にかざして、今年一年の家内安全を祈る。
 厄除け札3千円、方位除け札5千円、その他の身体安全や交通安全などは5千円だ。このところの前厄、本厄の年に、娘が交通事故に遭遇、息子たちは再就職や昇進試験、息子夫婦には孫が生まれた。
 毎年、何かと心配な事が連なる。もはや、厄除けのお大師様なしには、不安で生きていけない状態だ(笑い)。だから、ご祈祷のお金は糸目をつけない。江戸っ子ではないが、ほんとに弾んで目いっぱいに出している。

 そうそう、厄除けの「お祈り・集金システム」は、実に巧妙にできている。
 男女がそれぞれ、20年に一度くらい「本厄」があり、その前後に、「前厄」と「後厄」がある。厄の前後3年間は、厄除けの大師様にご奉納しなければならない。良き方向に運命を導いていただくために、掛け金ともいえる保険金を支払うのだ。
 縁起を担ぐわけではないが。男ならば、本厄の42歳あたりで仕事に責任が出てくる。人生の転機にもさしかかる。女性の場合は、33歳が本厄だ。むかしの女性ならば、その年の前後までに結婚している。子供が二人くらいは生まれていて、そのあたりで体調に変化が起こる。
 男女ともに、60歳が還暦だ。そのあたりまで生き延びられたとしても、目や耳や歯などは急速に衰え始める。体にガタが来るので、厄落としが必要になる。

 今年も、佐野の厄除け大師に行ってきた。お参りが終わって、うかつにも、今年が自分の「後厄」にあたることを忘れていたことに気が付いた。
 厄除けは標準価格が3千円だが、5千円を払った。「厄除けは3千円から」なので、5千円でも1万円でもよろしい。前厄のときに、なぜか?5万円を支払って、特別祈願の列に座ったような記憶がある。
 厄除け大師にも、時代の波が押し寄せてきている。今年になって気が付いたことがいくつかある。

(1)おみくじとお守りの販売に、自動販売機(三台)が導入されていた。
 あまり自販機からお守りやお札を買っている人はいなかった。少なくともお守りは、巫女さんから手渡しされることでご利益があるように思う。
 案の定である。自販機の撤去を考えた方がよいように思う。境内の雰囲気が壊れてしまう。水子地蔵さんにあげる生花を、ベンディングマシーンでは買いたくないだろう。罰が当たる。

(2)名物のだるまが売れていない。
 一昨年あたりからの傾向なのだが、境内の3か所にある「だるま販売所」が閑散としている。売っている男性たちにも問題がある。売ろうとする努力が足りない。だだの待ちの商売をしている。
 だるまは、毎年、小さなサイズをだんだん大きくしてくことに楽しみがある。そうした習慣について、販売員にあたる男性たちは、目の前を通るお客さんに説明しようとしない。その昔、女性のパンチパーマのお姉さんは、だれかれとなく声掛けをしていた。
 このままだと、あと数年でだるまの販売は休止になるだろう。売れなくなっているのだ。若い人たちは、だるまの買い方や家に置いておくことの意味を知らない。商売をやらない人には、年末の熊手と同様に、だるまのサイズアップは無関係なのだ。
 選挙の当選祝いに、だるまの目を入れる議員さんを最近は見たことがない。若い議員さんから、この習慣が消えていることが問題なのだ。であれば、マラソンランナーやお相撲さんに、だるまを売り込むことをすべきだろう。

(3)厄除け大師の商売
 信仰と観光は紙一重である。栃木県の佐野市に、プレミアムアウトレットモールができたころ[10年前]は、坊さんたちが、さかんに佐野が商売で栄えていることを自慢していた。
 商売気が走りすぎて、当時はどうかなと思ったものだ。しかし、当時の佐野厄除け大師のお坊さんたちには、ある種に覇気があったように思う。ラジオをつけていると、佐野厄除け大師と川崎大師のCMをよくも聞いたものだ。
 佐野アウトレットモールの開設から10年が経過した。正月の午後には、佐野インターチェンジから長い列ができる。モールの商売は繁盛している。しかし、一方の厄除け大師はどうだろうか?
 当時から見て、ビジネスシステムに大きな変化は見られない。毎年、本堂に上がってご祈祷を受けるが、お坊さんたちの講話の質は下がっている。ビジネスライクになっているので、単に、祈祷の順番をこなしているだけにしかみえない。

 これは怖いことである。わたしのように、悪しき経験があるから毎年、御祈願には出ていく。でも、境内からは若い人がしだいに消えて行っている。
 祈祷の流れは、昔ながらほとんど変わらない。単にスムースに人を流すのではなく、良い意味で変わるべきだと思う。わたしたちは、お金を納めに厄除け大師に行くわけでない。元旦(松の内)の朝に、一年の無事を幸運を祈って高速道路をドライブしていく。
 ご祈祷のプロセスが単なる時間浪費(消化時間)に過ぎないのなら、いつかは佐野に行く意味をうしなうだろう。わたしからの提案である。

(A)本堂に上がるまでの待ち時間に何かのアトラクションを!
(B)ご祈祷の作法(プロセス)をもっと感動的に演出を、
(C)坊さんたちは、もっとありがたい講話を考えて準備を
  話の内容にもっと工夫を、そもそもリハーサルが不足している
  → お坊さんの間に、競争的な評価システムを
(D)境内の屋台の運営が10年前と変わっていない
  → 仕事をする気がある屋台が参加できるよう、「テナント」の入れ替えを!

 佐野厄除け大師の運営に、佐野アウトレットモール以上のインベーションを!
 このままだと、わたしは、あと数年で元旦の佐野には行かなくなりそうですよ。 
  
 
 
  
| Kosuke Ogawa | 17:19 | - | - | pookmark |

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